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『カルピスをつくった男 三島海雲』 山川 徹 著 [読書録]

ヤクルトの創業者は乳酸菌L・カゼイ・シロタ株で有名な城田稔博士というのは結句知られている話ですが日本人の99.7%が飲んだことがあるといわれる国民飲料”カルピス”の創業者と聞かれるとちょっと答えられない人が多いと思います。

カルピスの創業者(初代社長)は三島海雲という方です。
その三島海雲の生涯とカルピスの歴史について書かれたルポルタージュがこちら
『カルピスをつくった男 三島海雲』山川 徹 著(小学館)

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▲表紙の写真の人物が若き日の三島海雲。明治の男って感じです。
今年の6月に刊行されたばかりの新刊を図書館で借りてきて読みました。
大阪の浄土真宗の寺に生まれた三島海雲は僧籍を持ちながら若き日々を中国大陸やモンゴルで過ごしました。

モンゴル平原の遊牧民が日常的に食べていた乳製品が病弱な自分体にとても有効だと気づき日本に帰ってカルピスをつくりはじめたのです。

れっきとした僧籍を持つ仏教徒の三島の行動指針は”仏の教え”とはいえ仏教を宗教としてとらえるというより哲学として信奉していたところがあり仏教を葬式仏教としかとらえていないような私でも共感できる考え方がたくさん散見される内容でした。
本の内容は三島海雲そのものを主題にしていてカルピスの歴史(社史)的な要素は抑え目な内容。
企業としてのカルピス自体も味の素の傘下から現在ではアサヒ飲料のグループ企業として今では主体はほとんどないのと一緒です。
ちょっと企業としては一流とはいえなかったかなぁ
ただし商品としてのカルピスは大正・昭和・平成そして次の時代にも確実に生き続けることでしょう。
三島海雲は私が生まれや数年後に鬼籍に入られた方ですが高齢になられても会社経営のトップに立ち続けた近年ではまれな経営者だったようで実の息子にも会社を継がせることをしませんでした。(息子さんはカルピスで働いていたのにもかかわらず)
本の終盤は三島海雲とこの息子さんとの親子のすれ違いにも触れられていますがちょっと考えさせられる話で私にとっては印象的な関係でした。(三島海雲の臨終の際の言葉にすべて凝縮されているような気がした)


[かわいい]小学館の本書の公式ページへ(こちら


カルピスをつくった男 三島海雲

カルピスをつくった男 三島海雲

  • 作者: 山川 徹
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2018/06/15
  • メディア: 単行本
カルピス創業者 三島海雲の企業コミュニケーション戦略: 「国利民福」の精神 (学術叢書)

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  • 作者: 後藤 文顕
  • 出版社/メーカー: 学術出版会
  • 発売日: 2011/09/27
  • メディア: 単行本
歴史をつくる人々 初恋五十年 甘くて酸っぱい人生遍歴

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  • 作者: 三島海雲
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 1965/06/05
  • メディア: 文庫
長寿の日常記 (1966年)

長寿の日常記 (1966年)

  • 作者: 三島 海雲
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 1966
  • メディア: -
以下は本書の内容とは関係ない私のカルピス談です[るんるん]

私のこどものころは親戚の家に行くと夏場は必ず冷たいグラスにカルピスが定番だった。
子供にはカルピスを飲ませておけば安心という絶対的な商品への信頼が大人にあったのだろうと思う。

またカルピスが苦手とか飲めないという人間(子供)には未だにお会いしたことがない。

カルピス提供の世界名作劇場(カルピス劇場)でハイジやネロ、パトラッシュ、マルコの旅を見て育った身としてはカルピスはこれからも大切な飲み物であり続けると思います。
そんなカルピスに対する思いに一大センセーショナルな事件が・・平成3年のカルピスウォーターの発売。
それまでカルピス(原液)を水で希釈する際は2.5~5倍に薄めてとあるだけで実際に分量を量ってつくっていた家庭はほとんどなくお母さんの匙加減といったところだったカルピスが公式に濃度が決められた飲料として世に出たのです。”あぁカルピスって本当はこの味なんだ(このくらいの濃さなんだぁ)”日本国民が再認識した出来事でした。
同時になんか”薄いかなぁ”とも思ったり、こどものころに親戚の家で飲んだのはもっと濃い味、いやでも薄いときもあったし、子供心にもお金持ちの家のカルピスは濃くてそうでないところのカルピスや大家族の家のカルピスは薄いなんて考察もしたっけ?
均一化された味っていうのもいいんだろうけども(現にカルピスウォーターは大ヒット)

流石に最近は外出先で冷たいカルピスを出されることは無くなった(年齢的にも)けど基準ができた以上、迂闊に匙加減もできなくなったなぁ(笑)
そうそう「初恋の味」なんてカルピスの定番キャッチフレーズもいまでは「カラダにピース」に変わっちゃってもうかなりの世代にしか通用しないみたいです(悲)

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